酒本歩さん(坂城町出身)の新作ミステリーが発売
坂城町出身のミステリー作家・酒本歩さんの新刊が先月発売となった。酒本さんは30年間の会社員生活を経て創作活動をスタート。平成30年「幻の彼女」で「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞した。坂城町で過ごした中学時代は全国大会にも出場したほどの野球少年だった。小説を書き始めたきっかけは「子供の頃から読書が好きで、自分でも書いてみたいと思った」からだという。
今回の新作「ロスト・ドッグ」は動物医療の在り方を問う長編ミステリー。愛犬家の酒本さんは以前から犬をテーマにしたミステリーを書いてみたかったそうだ。本作執筆のきっかけとなったのは愛犬のポメラニアンが病気になった際の体験から。ペットは自由診療のため医療費が高額になるが、「犬はどこまで治療をしてほしいか、意思を示すことができない。犬への愛情と治療のリスク、そして医療費の狭間で悩み、迷った(酒本さん)」。最も訴えたかったテーマは「ペットと人間の関わり方」について。「意思を伝えられない犬に対して、飼い主はどう向き合うのが正解なのか」を訴える内容となっている。これからも「興味関心のあるテーマを掘り下げて、エンターテインメントに仕立てていきたい」と話してくれた。
50代から小説家の道を歩み始めた酒本さん。「読者には、あくまでも楽しい読書の時間を提供したい」と創作意欲は益々盛んだ。本紙読者には「小説は意外に簡単に書けるもの。ルールはありません。皆さんも身の回りの気になることをテーマに書いてみてはいかがですか? 短くても書き上げたら新しい自分に会えますよ」とメッセージを頂いた。
出版・光文社 価格2,090円
(8月24日発売)