未来の図書館を考える  更埴図書館の改築構想 柳澤眞由美さん

未来の図書館を考える
 更埴図書館の改築構想 柳澤眞由美さん

一昨年の浸水被害により休館中となっているあんずホールは来年4月3日からの再開館が決定。
現在仮設施設に移転中の更埴図書館も、同日から同施設内での利用を再開することとなった。

 以前から更埴図書館の大規模な改修と改革を訴えてきたのが千曲市議会で副議長を務める柳澤眞由美さんだ。本を通した情操教育を重要視する柳津さんは「図書館を充実させた町は文化の質も良くなる」として、誰もが来やすい明るい図書館づくりを目指している。
 そのコンセプトは「つながる図書館」。全ての世代の人が利用しやすい環境二号大切だと考えている。他県の先進事例を視察し、子ども図書館や、声を出して読める図書館、カフェの併設などアイデアは多岐にわたる。そのためにも「図書館は経営が重要。館長は公募とすべき」と提言する。
 また、貴重な郷土資料などについてはデジタル化の要望を出してきた。「持ち出し禁止の資料も読むことが出来るし、千曲市以外の人にも利用してもらうことが出来る」とそのメリットを説いてくれた。しかし、現時点ではまだ千曲市内の図書館は国立国会図書館や県立長野図書館の検索システムとつながっておらず、課題は多いそうだ。

 柳澤さんは「千曲市の未来の図書館を考える会」の立ち上げを市に要望している。市には従来から図書館協議会があるが、開催回数も少なく、それだけでは不十分で「若い人の意見も含め、市民の考えとか夢とかを取りまとめてくれる存在が必要」と考えている。

 先頃国が打ち出した「地域未来構想20」では、新型コロナ感染症対応の地方創生臨時交付金を活用した図書館など公的空間への投資を推奨している。こうしたものを活用して、より快適で付加価値の高い公共施設を創り出すことも可能なはずだ。「子供たちや大人が利用しやすい図書館。そこからまちづくりが充実していって欲しい」 (柳澤さん)。今後の取り組みに当機構も注目していきたい。
 (4月28日取材)