特集② 千曲市長選 市民に予算含めて全体計画を丁寧に説明を 候補は説明責任を公約に
◆大きな道路事業や体育館や施設建設は?
任期満了に伴う千曲市長選(10月20日告示、27日投開票)まで2か月足らずとなった。現職で1期目の小川修一氏(56)=無所属、粟佐=が再選を目指して立候補を表明した。新人で同市経済部長だった洞田英樹(ほらた・ひでき)氏(60)=稲荷山=も、本紙の取材で出馬の意向を明らかにした。ほかに立候補する動きはなく、再選を目指す小川氏と、その市政運営に異を唱える洞田氏との「一騎打ち」の様相となりそうだ。
今回の市長選で市民の声の中から千曲市が抱える課題について以下にあげてみる。
大型事業の行方は
先月8月号でも触れたが、千曲市の道路、施設では3つの大きな事業が動いている。
①上信越自動車道出入り口となる屋代スマートインターチェンジにつながる一重山2号線の道路整備
②新戸倉体育館(千曲市総合運動公園基本構想「戸倉体育館エリア」「河川敷エリア」「白鳥園エリア」)
③坂城町と千曲市が共同で分別できる不燃ごみの処理施設(「葛尾組合リサイクルセンターとして令和9年に完成稼働予定)。
この三つのインフラ事業については、単年度では終わらない計画だ。
10月27日の市長選挙後には、この三事業の進捗状況について、市の予算がどの程度使われているか、国、県からの支援(補助金)はどうなっているか、積み立て金の有無。そして今後の材料費、人件費などの値上がりはどう見ており、予算に反映して行くのか。納税者である市民には、きちんと説明する責任がある。市長になる方はこの責任を実行すると公約として掲げてほしい。
現場主義による市政を
「現場に来て、見て、意見を聞く」。6月16日の朝8時から、千曲川クリーン作戦が市内各地で行われた。記者も屋代一区、三区の住民が参加する千曲川の桜づつみ南側石碑前に行った。三区の粟佐の皆さんが近いこともあり多かったが、約四十人が参加した。小川修一市長も近くに住んでおり参加していた。失礼かとは思いながらも「途中で帰らないで」と注文をつけた。
土手の川側、西側にはビールの空き缶やペットボトルが多かった。ひもで結んだ古い毛布も捨てられていた。作業は三十分くらいで終わった。市役所の職員の方が用意したゴミ袋が何袋もいっぱいになるくらいのゴミが結構あった。
このような機会は市政のトップが「市民の生の声」を聴くいい機会だ。そうした機会を選挙前ではなく在任中から作ったらよかった。すぐにできないこともあろうが、地域の皆さんから市政に対する生の声を聴く良いチャンスをもっと広げるべきだ。大げさな準備はいらない。市長選でも、各地域に出向いての「市長との対話の場」を公約にしてほしい。
職員は市民の奉仕者?
最近千曲市役所に働く公務員の皆さんの元気がないと聞く。
希望と気概を持って千曲市に入った若者等、退職していく職員が全体の5%にも上っているとのこと。仕事の疲れか自ら命を絶つ職員も出ているとのことだ。
市長周辺や人事担当はその理由を把握していると思うが、「自己都合」あるいは個人情報として深く調べていないのかもしれない。「街のため市民のために仕事をしよう」と希望をもって千曲市に入った貴重な人材が退職しているのなら大変に残念であり、行政にとっても大きな損失だ。
今年は台風19号の豪雨被害から5年目。元日から能登半島地震が起こり、最近も南海トラフ沖の大地震の心配もあるなか、訓練するのに「ずくをだせよ」と、自身を鼓舞していきたい。あの怖さを忘れないためにも。
(本紙特任記者 中澤幸彦)
千曲川クリーン作戦(6月16日)
昨年の千曲市総合防災訓練(9月3日)
千曲市長選挙 【選挙期日】令和6年10月27日
(告示日10月20日 任期満了11月10日)