特集③「立地適正化計画」とは?コンパクトシティーにこだわらないで

特集③「立地適正化計画」とは?コンパクトシティーにこだわらないで

★千曲市独自の計画を

 現在、千曲市では「立地適正化計画」を策定しているが、この計画を理解している市民はどれくらいいるのだろうか。「立地の適正化」って何ですか、と問われて千曲市の担当者は、わかるように市民に説明してくれるだろうか。「立地適正化計画」とは、「コンパクトシティー」+「ネットワーク」の都市を作っていく制度とされるが、これでもよくわからない。人口減少が進む中、なんとか維持しようとして国が提示した「制度」なのだろう。

 現在のコンパクトシティーの考え方は、「人口密度を維持する」拠点を複数設けて、それを「公共交通ネットワークで結ぶ」との考えに換わってきているようだ。確かに、富山市のように、路面電車を「トリム」という欧州タイプの路面電車に変えて、街をうまくつなげて「成功」したケースもある。最近は、宇都宮市がそれを「見本」として、コンパクトシティーを目指している。

 千曲市はそれを踏まえて、どういった「コンパクトシティー」を目指すのか。市内は20以上の地区があるが、全地区を公共交通ネットワークで結ぶことはできない。2017年に策定した「立地適正化計画」を見直すならば、千曲市をどうしたいのかを市民との対話を踏まえたうえで、策定するようにした方がいい。「コンパクトシティー」はあくまでも参考であり、それを「見本」とするのでぱなく、「千曲市独自のまちづくり計画」を練ってほしい。そこに「防災指針」を新たに設けることは大事である。

 国の指針は参考にしながら、根本的に見直しをしたらよいだろう。焦ることはない。現場をよく見て、千曲市独自の「立地の適正化」計画案を市の担当者はぜひ提案してほしいものだ。

(本紙特任記者 中澤幸彦)

宇都宮ライトレールゆいの杜東駅の風景(Photo AC)

「千曲市立地適正化計画」(平成23年6月)より

※市ホームページよりダウンロード可


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