重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)である稲荷山。
土蔵群や旧商家など多くの歴史的な建造物が建白並んでいるが、明治期の高村家別邸は2018年に家屋解体が進められ、現在は土塀が残されている。 同家の高村象平氏は慶応義塾の塾長で、戦時中の昭和二十年七月には慶応大学の図書館の蔵書が戦火を逃れ、この邸宅に疎開したという歴史を持つ。
往時を偲ばせる東側の土塀は、国道新設の際に一部がかかってしまったが、通用門なども現存しており、市民有志による「土塀を守る会」が買い取り、これまで保存活動を行ってきた。
昨年末より修繕工事を行っており、今年の7月まで作業が続けられる。夏には壁の塗り替え作業も行われる予定だという。現存する門は当時の正門