第17回千曲演劇祭 市民劇団・杏童「あの場所から」
「あの場所から」はケーブルネット千曲で3月11日放送
物語は風変わりな依頼を受けた男性の相談から始まる
17回目となる千曲演劇祭が2月6日に上山田文化会館で開催された。近隣3高校の演劇部が新型コロナ感染拡大の影響で出場を辞退したため、今年も社会人の劇団「杏童」の単独公演となった。設立15年目を迎えた杏童の新作「あの場所から」は、ある秘密を抱えた女性や不器用な男性の愛情を描いたコメディ。劇団を主宰する北村広幸さんが一昨年に脚本を書いたが今回初上演となった。北村さんは当時はコロナ禍は1年位で収まるのではと思っていたという。「未だにこういう状況だからこそお笑いを取り上げた。コロナ禍でも練習は十分できたし、自分たちの好きな演劇なので苦ではなかった」と振り返る。
北村さんには千曲市で演劇祭の灯を絶やしたくないという強い思いがある。「千曲市の社会人の劇団は長野市や上田市に比べ圧倒的に少ない。しかし演劇が好きな人は絶対いると思う」と語る北村さん。杏童も高齢化し今回で引退した団員もいたという。次の世代に演劇祭を引き継いでいってほしいと訴えた。