笹屋ホテルで竹久夢二ロビー展

笹屋ホテルで竹久夢二ロビー展

笹屋ホテル(戸倉温泉)では昨年12月から2月末まで大正ロマンの抒情画家・竹久夢二が遺した手紙や書画の展示を行った。同ホテルには夢二が送った差出日不明の礼状が保管されており、生誕140周年に当たる昨年、同ホテルが調査をした。その結果、昭和4年(1929)に夢二が雑誌の温泉紀行の企画で作家やジャーナリストら9人で笹屋ホテルに宿泊した際の詳細が判明。手紙はその時の礼状である可能性が高いことが判明した。夢二はこの滞在時にほかの文人らとの寄せ書きや舞妓などの美人画を描いており、現在は戸倉の坂井銘醸で収蔵されている。

 今回笹屋ホテルでは坂井銘醸からそれらの書画を借り、専門家の解説を付けてロビーで展示した。2月28日までの最後の2週間は宿泊客だけでなく一般にも無料公開した。

 夢二は昭和3年、笹屋ホテルに初滞在し、親友の正木不如丘が作詞した舞踊小曲「千曲小唄」の絵葉書へ挿絵を提供している。礼状にある翌年の訪問時には、芸妓が千曲小唄の舞踊を夢二らに披露したという。

竹久夢二の手紙(左)

滞在時に描いた舞妓の美人画(右)