若者よ、選挙に行こう!
十八歳になったら選挙に行ける。でも行かない若者が多い。なぜだろう。 「投票しても変わらない」「政策というが、よくわからない」「面倒」といった声も聴かれる。もったいないと思う。わたしたちの日常生活で、ちょっとおかしいなと思う身近な疑問から考えてみよう。例えば、長野県のレギュラーガソリンの平均小売価格は全国で一番高い。千曲市内のガソリンスタンドでも現在1リットル=183円くらい。カード会員といった決まったガソリンスタンドで入れると、179円くらいだ。なぜ高いのか。為替が円安であり、原油価格も中東情勢が不安定で高止まりしていると経済産業省関連機関である石油情報センターは説明する。
長野県は製油所すら遠く、鉄道による専用貨車によって運ばれたガソリンが県内に坂城など数か所のタンクに入れられ、そこからタンクローリー車で各スタンドに運搬するためにコストがかかる。だから高いという。運搬代というが、隣接の山梨県の清里高原のスタンドでは最近177円だった。
「ちょっと変だな」。だれでもそう思うだろう。長野県がなぜ全国一のガソリン価格なのだろう。この問題について、市会議員や市長はなにか動いたのだろうか。県は、ガソリンスタンドの組合と価格の引き下げができるかどうか話し合ったそうだ。だが、ガソリンスタンドの経営も厳しく、続けていくことも後継者不足で困難だという。その後、ガソリン価格を引き下げるための行政の働きかけはわからない。
最近の商品価格の上昇は幅広い品物まで及んでいる。家賃などもここにきて引き上げる傾向がある。物価がどんどん上がることに、有権者はただ黙って見ているだけでは良いはずがない。市議選が近くなるにつれて、こうした身近な生活で困っていることについて、候補者はどれだけ意見を言えるか。
千曲市では前回の市議選の投票率は55・79%と、参院選と同時選挙だった前回2016年から12%近く、2012年からも3%弱低下している。地域別でも、最高の投票率だった投票所は八幡の郡公民館で73・6%。最も低い旧戸倉庁舎の46.68%とは27ポイント近い開きがあった。全般的に高齢者の割合が高い地域は投票率が高く、若年層が多い中心市街地は選挙に関心が低い傾向が顕著だ。地域の未来を誰に託すのか。しっかりと見極め、有権者は世代を超えて選挙に出かけよう。