関東大震災から100年 4年ぶりに本格訓練を実施 坂城町総合防災訓練 千曲市総合防災訓練

関東大震災から100年 4年ぶりに本格訓練を実施 坂城町総合防災訓練 千曲市総合防災訓練

坂城町南条区での総合防災訓練

 大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災から今年でちょうど100年の節目。「防災の日」を中心に全国各地の自治体で総合防災訓練が行われた。坂城町では地域の自主防災会や防災関係機関と連携して8月27日に総合防災訓練を実施した。

 今年度の総合防災訓練は南条区全域が対象。大型で非常に強い台風が最接近したという想定での訓練となった。早朝からの情報伝達訓練に続き、南条区の全6区の自主防災会らがメイン会場の南条小学校への避難訓練を行いグラウンドに集合した。同校体育館では避難所の運営訓練を実施。受付での避難者名簿作成や、段ボール間仕切り、簡易ベッドなどの組み立てを体験した。そのほかAEDの講習や応急手当の訓練を行い、千曲坂城消防本部の隊員が注意点などを説明した。屋外では上田ケーブルビジョンが臨時災害放送局を開設したほか、最新式の簡易トイレや備蓄用非常食なども展示された。

千曲市の総合防災訓練は上山田地区

 翌週の9月3日は千曲市で総合防災訓練を実施。台風接近に伴い杭瀬下水位観測所で避難判断水位を超えたという想定で行われた。今年の重点地区は上山田地区で上山田小学校が会場となった。コロナ禍以降4年ぶりの本格訓練ということで、千曲坂城消防本部や千曲警察署のほか陸上自衛隊の軽装甲機動車や県企業局の給水車、千曲川河川事務所の排水ポンプ車なども参加した。

 グラウンドでは長野県警交通機動隊が災害現場で使用するオフロードバイクのデモンストレーションを行った。また、千曲坂城消防本部の隊員がロープを使って川の中州に取り残された人の救助や、被災した自動車内からの救出訓練を実施した。

 昨年まで中断していた住民参加の消火器を使った初期消火訓練も今年は復活。消火器の使用法や素早い消火のコツを消防署員から学んだ。屋外では煙体験ハウスや給水車の給水訓練なども行われ、親子連れなどが参加していた。

 体育館内では避難所設営訓練や医療救助訓練のほか、避難者として受付から避難場所までの誘導などの体験も行われた。

県庁では地震の防災訓練を実施

 9月1日の防災の日には長野県庁で糸魚川―静岡構造線断層帯を震源とする大規模な地震が発生した想定での地震総合防災訓練が行われている。弘化4年(1847)の善光寺地震では更級地方でも家屋の倒壊や火災で多くの死傷者が出た。近年増加している水害のほか、地震への備えも心がけたい。

土のうづくり(南条小学校グラウンド)

応急手当訓練(南条小学校体育館)

救出訓練(上山田小学校グラウンド)

給水車の応急給水訓練

(上山田小学校)