阿部知事との県民対話集会開催テーマ 「地域資源を生かした千曲市の観光と農業の振興」県民との対話による課題共有

 阿部知事との県民対話集会開催テーマ 「地域資源を生かした千曲市の観光と農業の振興」県民との対話による課題共有

 昨年4選を果たした阿部知事は「対話と共創」の県政を推進するとして、10月より県内の77すべての市町村を訪問し、各地域の住民とテーマに沿って語り合う「県民対話集会」 を実施中だ。地域の課題を的確に捉えた対話とするため、テーマの設定は市町村側に依頼し、集会には各自治体の首長も出席する形式になっている。

 年明けの1月14日には26番目の自治体として千曲市で対話集会が開催。市役所3階会議室で行われた集会には応募したおよそ50名の市民らと小川市長が参加した。

千曲市民から知事への投げかけ

 千曲市では「地域資源を生かした千曲市の観光と農業の振興」というテーマに沿って進行。前半の「農業振興」では有機農業の経営農家、杏農家、ワイナリー経営者から有機農作物の認証や後継者対策に関する要望が出た。これに対し阿部知事からは有機農業で有効な取り組みをしている松川町などの事例を上げながら「県全体でどう取り組むか考えていきたい」 と応じた。さらに「後継者の話はどこの自治体からも出ている。人口問題は最も重要な課題。もっと子供を育てやすい環境、結婚しやすい環境を作らないと」と話した。

市内での話し合いの活性化

 また、阿部知事は千曲市には多くの資源があるとし「農業と観光が分断されるのはよくない。ここでしかないストーリー性を持ったものを観光の人も協力してもらい発信を」と提案した。後半の「観光振興」では同じく3名から戸倉上山田温泉や稲荷山重伝建、森将軍塚古墳などの国内外への情報発信について意見などが出された。

 全体を通じて阿部知事は「県で出来ることには限界がある」としたうえで「何故もっと皆さんで話し合わないのか。対話したら知恵は出ると思う」と地域の中で考え、協力して話し合う場所を増やすべきとの考えを繰り返し示した。さらに「千曲市の皆さんが意識を共有してほしい。そうしないとなかなか発信していけない」と訴え、それに基づいた市の取り組みを尊重し応援すると約束した。

 対話集会は予定の1時間半を過ぎても活発な意見が相次いで出された。小川市長は「共有すべき課題が見つかった。まずはしっかりと地域として方向性をまとめていきたい」と述べた。(坂城町の県民対話集会の日程は編集時では未定)