1月11日に有識者懇話会  どうなる屋代南高 「現場をつぶさに知ってほしい」 地元の声

1月11日に有識者懇話会  どうなる屋代南高 「現場をつぶさに知ってほしい」 地元の声

◆強い「ぜひ残して」の声

 この1月11日に長野市篠ノ井で県立高校の再編について「地元有識者の懇話会」が開催される予定だ。

 今回の懇話会には千曲市からは、フレックスジャパンの矢島隆生社長が意見を述べるという。内容については次号の本紙で紹介するつもりだ。

 今回は、屋代駅から徒歩6分の屋代南高校の「未来図」を描いてみたい。かつて普通科のほか、被服科があり、この課程が「ライフデザイン科」に発展した。同科の生徒が昨年23年11月に、福井県大野市で行われた全国高校生クッキングコンテストで「サバの味噌煮」とクルミやキノコなど地元の特産品を使った料理で文部科学大臣賞を獲得した。

 素晴らしいことだ。生徒自身の自信にもつながり、同級生や後輩の励みや目標にもなる。

 さらに屋代南高は、毎年同校の文化祭「桜苑祭」と発表会で、伝統の「ファッションショー」が開催されている。昨年12月9日には、信州の幸あんずホールでも行われた。年2回のファッションショーは生徒自身の企画で実行されているという。地域も応援しているが、最近は地域と南高校生徒の連携がなぜか薄くなっている。

 地元は、ファッションショーや生徒が料理コンテストで賞を取ったことに関心がある。見てみたいし生徒の話も聞きたいだろう。

 屋代南高のライフデザイン科とともに、普通科もぜひ残してもらいたい。同校は千曲市の「ヘルシーロード」構想の中核施設として、これからもなくてはならない「拠点施設」だ。地域に開かれて、意欲ある方が参加できる「クッキングスクール」を設置し、併せてファッションを学べる場になって、ずっと存続してほしい。

 県教育委員会が2022年5月24日に県立高校の第2期再編(第3次案)を公表した。そのなかで旧第4通学区は屋代南高、松代高、更級農業高の3校を統合して「長野千曲総合技術新校(仮称)」に再編。松代高校を普通科とする計画が提示された。総合技術新校のキャンパスをどこに置くかなどは現時点では未定となっているという。

 当時の本紙記事によると、

 発表直後の定例記者会見(30日)で小川市長は、屋代南高校の存続に向けた取り組みについて問われ、自身が会長を務める民間団体「屋代南高校を発展させる会」から意見を聞いて活動していく意向を示した。同会には市長、教育長のほか、屋代南の同窓会長や商工会議所、商工会、県議、市議等のメンバーが参加。昨年9月には県庁を訪問し、原山県教育長(当時)に屋代南の学校転換についての提案・要望書を提出している。6月定例会でも屋代南高校の存続についての一般質問が複数の議員から出た。小川市長は旧第4学区の地域協議会では特定の高校名を出して発言することは出来なかったことから「これからが運動のスタートだと思っている」と語った。

 さらに「多様な学び場として屋代南高校の存続は私の願いでもあり、多くの千曲市民の強い願いでもあると思う」として「同じ場所に学びの場が残るよう県に働き掛けていく」と千曲市にキャンパスを存続させる決意を示した。県教委は2030年3月を高校再編の目標時期に据えている。

 ここからどうなっているのか。今後の計画について開示にあまり意欲的でない県教委だが、もっと現場の状況をつぶさに視察し、地元からの意見をよく聞いてほしい。

 少子化の統計数値と机上の計算で、統合計画を作っているのだったら、目線が全く上からのもので、「本末転倒」だろう。同窓会はじめ、今の生徒、保護者らの意見を丁寧に聞いたうえで「計画」を示してほしい。

 また、「屋代南高校を発展させる会」など地域で活動しているグループは複数あると聞くが、ぜひ一致団結して屋代南高校の存続を強く訴えていこう。県教委の統合計画の見直しを強く求めていきたい。

(ちくま未来新聞特任記者・中澤幸彦)

屋代南高校ライフデザイン科作品発表会 

【13面に関係記事あり】