稲荷山諸聖徒教会 90周年記念講演会

稲荷山諸聖徒教会 90周年記念講演会

 1933年11月に建設された稲荷山諸聖徒教会は今年90周年を迎えた。11月19日に記念講演会が開催され、立教大学の山下王世教授と東京都立大学の山田幸正名誉教授が、その建築的特徴と文化的意義について語った。山下教授はカナダ人司祭のJ・G・ウォーラー師が建設する直前関東大震災が発生し、レンガ造りの建物が多数倒壊したことからコンクリート製構造を採用したと推測。その後の屋根瓦や窓などの改修経緯を紹介した。元の窓枠を移築保存していることなど「詳細な改修の履歴が明らかなことは文化財建物にとって重要」と高く評価した。山田教授も「耐震性を考慮し積極的に鉄筋コンクリート造りを取り入れた先進性」などを同教会の特徴に挙げた。

山下教授(左)と山田名誉教授(右)

稲荷山諸聖徒教会は今年2月に国の登録有形文化財に登録された