essay 東京だより(第5回)
こんにちは、イギリス生まれのユーモア作家、P・G・ウッドハウスの翻訳をしております、森村たまきです。東京でご活躍される千曲市ゆかりの方々をご紹介する第5回目は、再び屋代高校東京鳩会幹事の皆さんにご登場いただき、総務担当のジェントルマン、伊東博道さんのご紹介をいたしましょう。
伊東さんは昭和24年にお生まれで松代町のご出身。屋代高校時代には「電気班」に所属して、部室でJA0YCXというコールサインの屋代高校アマチュア無線局を運用していたそうです。大学は京都の同志社大学に進まれ、卒業後は旧郵政省の関係会社で自動車での郵便物の輸送・収集を専業とする日本郵便逓送(株)にご就職。当時、赤い公用車といえば消防車か郵便自動車でしたから、日本郵便逓送は「赤い郵便車を運行している会社」としておなじみだったそうです。
在職中は東京のほか国内7カ所の任地で勤務され、各地の人と交流したり、周辺をめぐって地域の自然や習慣、歴史のにおいを直接見たり嗅いだりしたことは豊かな経験だったとおっしゃいます。郵政民営化の際には同社の常務取締役として日本郵便輸送(株)設立の事務を担われ、新会社のスタートとその後のレールを敷くことに携われたのは喜びだったそうです。新会社でも引き続き常務取締役を務め、その後関連会社の役員などを歴任されて昨年退かれるまで、ずっと現役でご活躍でした。
ところで屋代高校時代に育んだアマチュア無線への情熱は現在再び花開き、10年ほど前に「老後の楽しみにでもなれば」と、最近の無線事情や電気工学を勉強しなおして無線局を再開局されたのだそうです。これが「大正解」で、リタイアされた方々の無線局再開局が全国的に増える中、お住まい周辺にも様々な人生経験を積んでこられた方々が多数いることが判明し、地域の無線家の皆さんと交流したり、秋葉原を歩いて部品を購入して電気工作に没頭したりと、充実した日々をお過ごしなのだとか。
「そういえば、千曲市では屋代高校電気班の先輩方が『千曲市アマチュア無線クラブ』を立ち上げて活動されておられ、以前千曲市のイベント会場でお会いしたことがあるけれど、今どうしてるかな?」とのことですが、交流再開となるといいですね。
写真は東京鳩会総会の際に撮影。右端が伊東さんです。
著者紹介
森村たまき 翻訳家 内川出身