千曲市内モニュメント巡り(第2回)
屋外彫刻(パブリックアート)は1980年代から自治体がまちづくりを目的にアート作品の設置事業を推進したため全国的に増加した。千曲市内の屋外彫刻も同時期の設置だが、長年の風雪や日光などの影響で劣化も進行しているのが現状だ。多摩美術大学との「モニュメント制作協定」により市内に設置された学生たちの作品のうち更埴中央公園にあった一作品(「時」昭和61年度制作)は錆や腐食が進んだため今年2月に姿を消した。
作者の制作意図は「風を受けることにより彫刻が変化し、見る者も同じ時空に立っているという、視覚だけではない触覚的な体験を感じて欲しい」という時の移ろいを表現するものだったが、土台から落下する危険性が高まったため止む無く撤去されることとなった。芸術作品を継承していく維持管理と安全性の担保の両立は難しい課題であるといえる。

「時」(昭和61年度)作者:高山 浩 場所:更埴中央公園
※撤去済み