千曲市内モニュメント巡り(第3回)
戸倉の白鳥園多目的広場にある「無籍動物」。これは現在入浴施設の白鳥園があるエリアに昭和35年(1960)開業した「戸倉上山田ヘルスセンター」のために芸術家の岡本太郎が制作したものだ。当時は同形の大型作品(縦4m×横5m)がもう一体あり名物となっていた。しかし施設解体後は消息不明で、小型の一体(高さ1.4m×幅1.4m)のみが残された。川崎市岡本太郎美術館によれば、第44回二科展に同形作品が「動物」の名前で出展されている。
白鳥園のリニューアル後、周囲は草生して、その存在も顧みられることが少なくなっていた。多目的広場の整備に伴い、昨年には枝の落下の危険性があった周囲の松などの手入れがなされた。
公園は市民の憩いの場として利用されているが、このオブジェが巨匠の手によるものだと知る人は決して多くはない。9月市議会でも一般質問でその存在の広報と活用を求める声が上がった。市では岡本太郎記念現代芸術振興財団と権利関係の調整を行い、案内板の設置などを進める方針だという。
「無籍動物」(昭和34年作)作者:岡本太郎 場所:白鳥園多目的広場

