千曲市内モニュメント巡り(第4回)

千曲市内モニュメント巡り(第4回)

顕彰や記念としての建築が主な目的だった屋外モニュメントは、やがてより洗練された芸術作品・パブリックアートへと変貌を遂げた。それと並行してブロンズ製や石造りから鉄、アクリル(樹脂)など様々な素材が使用されるようになり、表現方法は多様化している。多摩美術大学の学生が制作した千曲市内のモニュメントも人物をかたどったものから抽象的なアート作品までそのジャンルは幅広い。中には一見してモニュメントだと判別しづらいものもある。

打沢の月山公園にある作品「blooming」はアーチ状の鉄骨で作られ、まるで子ども用の遊具のようにも見える。作者の制作意図は「人工物と自然との対比」がテーマで「人工物が自然に飲み込まれようと(中略)完全にその一部にはなり得ない。しかし共存していく上で大切なのは、互いのコミュニケーションだろう。」と解説されている(市HPより)。有明山の裾野でひっそりと佇む鉄製の異形。その緑と赤の対比は独特の存在感を放っていたが、現在は赤い塗装が剥がれ落ちつつある。

「blooming」(平成10年作)

作者:蒲田依子

場所:月山公園(打沢)