第4回坂城びんぐしの里 薪能 5年ぶりの開催は初の屋内に

第4回坂城びんぐしの里 薪能 5年ぶりの開催は初の屋内に

「坂城びんぐしの里薪能」が8月20日に開催された。この薪能は第1回の平成23年(2011)から3年おきに開催されてきたが、第4回にあたる2年前の2020年は同時期に野村萬斎さんが東京オリンピックの総合演出を務める予定だったことから一年順延に。さらに昨年も新型コロナの感染拡大により延期を余儀なくされたが、関係者の尽力で今年5年ぶりの開催にこぎつけた。

 この日は午後から雨が降り続き、夕方からも強い雨の予報だったため会場をびんぐしの里公園の特設舞台から村上小学校体育館へと変更。初めての屋内開催となった。山村弘町長は挨拶で「これまでは上田市や千曲市が雨の時もびんぐしの里だけは天気に恵まれて開催できたが、毎回村上小学校でも準備をしていた。今回ここでの開催は村上小の新しい歴史になったのではないか」と述べた。また、松尾文子実行委員長が「狂言に比べて能は難しいと言われるが、少しでも理解を深めていただきたい」と、この日の演目「鞍馬天狗」のあらすじや見どころを事前にわかりやすく説明した。

 今回屋内での開催となったことで宮入小左衛門行平刀匠の奉納鍛錬は中止に。第一部では坂城能楽教室の子どもらによる仕舞と、坂城町・千曲市の謡同好会の連吟が行われた。第二部では狂言と能の舞台が演じられ、観客は久々に伝統能楽を堪能していた。

狂言「成上がり」

太郎冠者を演じる野村萬斎さん

能「鞍馬天狗」

大天狗(松木千俊さん)と牛若丸の場面