ちくま未来俳句 選者 光本苹果(ホトトギス同人)

ちくま未来俳句 選者 光本苹果(ホトトギス同人)

立秋といふにきびしき照り返し      のり子

棒の先争ふとんぼ静かなり             遊耳

秋涼や車窓全開信州路      英夫

登山靴山の麓の露天風呂   律子

村寺の施餓鬼の信徒宗派なし          弘之

来年は備へかなふか走馬灯             康一

満塁や真夏の雲を打ちに立つ          紀佐子

叔母帰省ロシアケ―キの土産かな   正子

凌霄の色曳く朝の竹箒      秀貴

山小谷のロフトで一夜明日の夢      豊

採りたての野菜抱えて夏見舞          奈美江

老僧の声量豊か蝉しぐれ   久恵

ひと口俳話 

俳句における足し算と引き算

足し算:言葉を足せば足すほど詳しく表現できるが、読み手の想像する余地がなくなる。

引き算:広がりがでてきて読み手の想像が膨らむ句になる。余り省略しすぎると意味が解らなくなる。俳句は何を省略し何を残すかが肝心である。

俳句で人生に潤いを、お気軽にご投句下さい。■投句先 ちくま未来新聞「俳句係」(屋代西沢書店2階)