『第一回 ちくま800字文学賞』 佳作受賞作 「非対面型怪奇モデル」 エビハラ 2020年某日、夜。郊外の公会堂に集まる人影があった。 長い黒髪を靡かせ、大きなマスクをした女性の集団は、係員に
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ちくま800字文学賞 大賞受賞作「嘘を八百」 田原にか
ちくま800字文学賞 大賞受賞作 「嘘を八百」 田原にか 満月の夜、壮太は美優の言葉を思い出していた。 「人間は一人の相手に対して、800までしか嘘がつけないの。だから嘘を800回言いあおうよ。
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第二十五回「年齢制限」
おじょこな800字小説 第二十五回 「年齢制限」 作・塚田浩司 学校へと歩いていると、一台の車が俺の横に停まり、運転席の窓からクラスメイトの五十嵐が顔を出した。 「乗っていくか、そのペースじ
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第二十四回「さよなら我が家」
おじょこな800字小説 第二十四回 「さよなら我が家」 作・塚田浩司 住み慣れた我が家を離れるのは寂しい。わたしは家の中を歩き回りながら、家の隅々まで目に焼き付けようとした。 居間の柱には無数
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第二十三回「ゾンビ」
おじょこな800字小説 第二十三回 「ゾンビ」 作・塚田浩司 学園はゾンビに支配された。最初は一体だったゾンビが教師や生徒に噛みつき、それが次から次へと伝染し、今は校舎の中も外もゾンビだらけだ。
おじょこな800字小説 ・塚田浩司 第二十二回「虹色の戦争」
おじょこな800字小説 第二十二回「虹色の戦争」 作・塚田浩司 「戦争反対ー。戦争反対ー」 おじいさん、おばあさん、おじさんに、おばさん、お兄さんに、お姉さんが平和を願ってデモ行進をしている。中に
おじょこな800字小説 第二十一回「タイムカプセル」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 「タイムカプセル」 作・塚田浩司 小学生の頃、家の庭にタイムカプセルを埋めた。カプセルの中には「二十年後の僕へ」という題の手紙を入れた。二十年前のことだから内容は覚えていない
おじょこな800字小説 第二十回「満月に祈る」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第二十回 「満月に祈る」 作:塚田浩司 「うまい話がある。バッグをただ言われた通りの場所に運ぶだけだ」 中学時代の同級生、高畑からそう持ち掛けられた時、すでに嫌な予感がして
おじょこな800字小説 第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司 尊敬する父はいつもそう言っていた。男というのは女性の目を意識するがゆえに結果を出す。政治家やスポーツ選手、弁護士や医者もそうだ。それに子孫
おじょこな800字小説 第十八回「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十八回 「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司 家に帰ると、母の部屋のドアが少しだけ開いていた。覗いてみると、そこには私の知らないお母さんがいた。 私が見ていることに