おじょこな800字小説 第十七回「恭子ちゃん」 作・塚田浩司 風がひんやりしてくると、かならず恭子ちゃんのことを思い出す。 あれは、小学校高学年のことだったと思う。私は恭子ちゃんと二人で近所のお
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おじょこな800字小説 第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司
第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司 「金魚すくい一回お願いします」 網と交換に瞬は二百円をおじさんに渡した。 これは小学校が主催したお祭り。一人千円まで使えるんだけど、綿飴、たこ焼き、輪投げな
おじょこな800字小説 第十五回「スイカ」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十五回 「スイカ」 作・塚田浩司 今年もスイカが送られてきた。私の実家はスイカ農家なので、夏になると必ずスイカが届く。一人で一玉なんか食べられるわけがない。そう思いながら
おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」 作・塚田浩司 六月の雨が降りしきる中、僕はお弁当と結婚情報誌を買い、婚約者である優衣のアパートに向かった。そこで夕食を食べながら披露宴の会場選びをす
おじょこな800字小説 第十三回「一心同体」作・塚田浩司
おじょこな800字小説第十三回 「一心同体」 作・塚田浩司 杏が咲く季節。久しぶりに森にある実家に帰った。 「ああ、裕貴。きてくれたんだね」 祖母は嬉しそうに僕を迎えてくれた。 孫としての僕の役目
おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」 窓の外の雪だるまを見ながら、また怒りが込み上げてきた。翔はここ数日すっと不機嫌だった。 なぜならこの前のクリスマスにプレゼントをもらえ
おじょこな800字小説 第8回「狐」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第8回 「狐」 作・塚田浩司 いつもの通学路を歩いていると、土手の真ん中に黒いランドセルの人だかりが出来ていた。不思議に思った僕は、人波をかき分けて輪の中心に進んだ。するとそ
おじょこな800字小説 第7回「森の中のアトリエ」作・塚田浩司
よみきりショートストーリー おじよこな800字小説 第7回「森の中のアトリエ」 森の中に一軒のアトリエがある。 周辺には色とりどりの花が咲き、犬や猫、うさぎにリスが楽しそうに走り回っている。 アト
おじょこな800字小説 第6回「ハロウィンイベント」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第6回 「ハロウィンイベント」 作・塚田浩司 私か店長を務めている「スーパーめばえ」では、今年の十月からハロウィンイベントとして、スタッフ全員で仮装することになった。本部か
おじょこな800字小説 第4回「夏休みの過ごし方」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第4回 「夏休みの過ごし方」 作・塚田浩司 私も年をとったものだ。小学生の孫を持つおじいちゃんなのだから当然だが、それにしても最近の子供のことが理解できない。孫が夏休みに入っ