ちくま論説 さらはニズム

▼取り壊された稲荷山温泉・杏泉閣と上山田の旧ふれあい福祉センターの跡地にこの夏新たな商業施設が開業した。ともに石川県を拠点とする大手ドラッグストアチェーン・クスリのアオキの店舗である。店内に入って驚かされるのはその品揃え。

売り場面積のおよそ8割は食料品や日用品などで、医薬品の棚は一部に過ぎない。ほとんどスーパーと変わらない業態だ。▼クスリのアオキは全国に1144店舗を展開。今年のドラッグストア売上高ランキングでは6位にランクされている。食品スーパーのM&Aを積極的に進めており、2030年5月期までに400店舗の出店を見込んでいるという(ITmediaビジネスより)。

8月19日に開かれたアオキホールディングスの株主総会で会社側は更なるM&Aと業績拡大を唱えた。長野県内への出店も続きそうだ。▼現在、小売業界ではドラッグストア、コンビニ、スーパー、ディスカウントショップのボーダーレス化が進み、シェア争いにしのぎを削っている。

中でもドラッグストアは食品販売で集客増を狙っており、コンビニやスーパーはパイを奪われつつある。▼快進撃中の大手ドラッグストアチェーン。国道18号線沿いのTSUTAYA跡地に開業したサンドラッグは長野県内の店舗数は少ないが関東では有名なブランドで全国シェアは5位。

寂蒔に出店した低価格スーパーのダイレックスもサンドラッググループの一員だ。しかしながら、千曲市内においてはスーパーは各地域に満遍なく存在しており、過当競争気味に感じる。▼アオキの開店と直接の関係はないが、稲荷山の住民の手で誕生し、地域に愛されてきたスーパー「あいにー」は8月末で閉店となってしまった。

再開発の進む千曲市だが、大手チェーンの草刈り場にされるのもあまり好ましくない話。市民にとって本当に価値のある開発を期待したい。(W・S)

市内に開店したクスリのアオキ 稲荷山店