さらはにズム ちくま論説

さらはにズム ちくま論説

▼「政治はケンカだ!」と激闘の12年、兵庫県明石市長をこの4月に引退した泉房穂さんの著書を読んだ。「人から嫌われたくない」なんて思ったことはない。嫌われても恨まれても、市民のために結果を出すことが政治家としての私にミッションだったから、そして多くの市民が私を信じてくれたから、ブレることなく走り切ることができたのだと、まえがきにきっぱり。

▼12年前の市長選初出馬が画期的だ。兵庫県の知事室長で自民党・民主党・公明党に担がれた盤石候補に対し「市民」だけを味方にして市長になると、相手の支持基盤より普通の市民(庶民)のほうが数字的に圧倒的に多いんだという発想で臨んだという。選挙のキャッチコピーは「私たちの代表を市長に」選挙演説も「皆さん」ではなく、「私たち」と言う。

▼就任後、議会と役所との対応も市長の専決事項のデシジョンメイクは「なあなあ」は止め、ネットなどにより従来の議員の市民とのパイプの役割が無くなり、市民が議員に求めるミッションも変わってきているのだと言う。泉さんは市長と議員の力関係を選挙の得票率であくまでも市長が市民の代表だという。議会と市長・行政の運営のあり方がこれからの大切な問題であろう。

▼来年は千曲市も市長選がやってくる。9年連続人口増、8年連続税収増を成し遂げた泉市長の本「政治はケンカだ!」をご一読を!。