シリーズ未来への提案 ちくま未来戦略研究機構 千曲市の教育の未来

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 1月11日午後6時から長野市篠ノ井交流センターで第1回の長野千曲総合技術新校(仮称)再編実施計画の懇話会が開かれた。初回ということで懇話会の意義などを県教委が説明するのに時間の多くが費やされた。ここでは計画について地元からの考えと併せて見通しを指摘したい。

 第一に、県教委は県内で長野千曲、岡谷諏訪、上伊那、安曇野の4つの総合技術新校(いずれも仮称)の設立を目指す計画を示した。これを推進する理由として「予測困難な新局面に対応して柔軟に変化」と併せて「地域に根付いている現在の専門学科をなくさない」をあげている。さらに4つの総合技術新高校は「柔軟で持続可能な専門教育を追求する仕組み」と定義付けている。

 こうした県教委の計画を進めるならば屋代南高校のライフデザイン科はまさに「地域に根付いている専門学科」ということになり「なくさない」、つまり存続することだ。この懇話会は県教委主導の計画が「ありき」で進められているとみて間違いなかろう。第1回の懇話会で、千曲市のフレックスジャパンの矢島隆生社長は「街の活性化が急速に失われている」と指摘、屋代南高を念頭に置いて、街との連携についての考えをただしたが、明確な答えはなかった。屋代南高は最近、地域との連携に消極的だ。例えば、地域の用水路掃除(せぎさらい)に従来は学校側が協力してくれたが最近は参加しなくなったようだ。地域との連携について同高の竹内宏枝校長に聞くと黙ってしまった。学校と地域の連携を必ずしも最優先していない県教委の考えの一端が垣間見える。

 2回目の懇話会は4月25日に千曲市役所の301会議室で午後6時から7時半まで開催予定だ。地域の皆さんはぜひ傍聴して思っていることがあったら声を上げてほしい。

(本紙特任記者・中澤幸彦)