小学校時代の同級生の和也と二十年ぶりに会うことになった。SNSで名前を見かけた俺の方から声を掛けた。喫茶店で再会を果たしたのだが、会うなり和也は嬉しそうに「久しぶり」と俺に満面の笑みを浮かべた。昔と
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第四十三回「鈍感な男」 作・塚田浩司 おじょこな800字小説 「ねえ、私を見て何か気づかない?」
第四十三回「鈍感な男」 作・塚田浩司 おじょこな800字小説 「ねえ、私を見て何か気づかない?」 夕食中、妻に 訊かれ、正樹はドキッとした。正樹は昔から鈍感だった。妻が髪を切っても買ったばかりのスカ
おじょこな800字小説 第四十二回「はじまりの水」塚田浩司
おじょこな800字小説 第四十二回「はじまりの水」 「中学校の水道の水を飲みに行こうぜ」 突然、宮本からこんなラインが届いた。奇妙なラインだとは思ったが、今のアイツの状況を考えると断る気にはなれず、
おじょこな800字小説 第四十一回「詐欺だけに」 塚田浩司/柏屋当主。屋代出身。
おじょこな800字小説 第四十一回「詐欺だけに」 「このところ犯罪が横行していまして、その犯罪グループのリストの中におばあちゃんのお孫さんの名前があったんですよ」 警察官役の俺が、お婆さん役の笠置に
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第四十回「恵方巻きの効果」
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第四十回「恵方巻きの効果」 今年の恵方は東北東だ。俺はさっそく東北東に向き恵方巻きにかぶりついた。恵方巻きは願いを思い浮かべながら無言で食べる。俺の願いは「ステ
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十九回「アンとわたし」
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十九回「アンとわたし」 私のふるさとに夫と一緒にUターンした。大学進学のときに地元を離れて以来だからこの町に住むのは五十年ぶりだ。屋代駅前通りもすっかり変わ
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十八回「刺身の盛り合わせ」
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十八回「刺身の盛り合わせ」 大晦日。東京から帰郷する俺のために、母が腕をふるって料理を作ってくれる。唐揚げにハンバーグにフライドポテトなど子供が好きなものば
おじょこな800字小説 第三十七回「ネクストバッター」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第三十七回「ネクストバッター」 作・塚田浩司 野球部の仲間の洋介が結婚する。めでたい話だが俺は素直に喜べない。 三ヶ月前、勤め先が倒産した。まったく予期していなかった俺は一気
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十六回「サプライズ」
おじょこな800字小説 作・塚田浩司 第三十六回「サプライズ」 結婚前から、あらゆる場面で妻にサプライズを仕掛けてきた。 初めて誕生日を祝ったときは打ち上げ花火を上げた。プロポーズの際にはケーキの
ひなた短編文学賞 参考作品 主人のカーテン
ひなた短編文学賞 参考作品 主人のカーテン 娘夫婦と暮らすようになって一ヶ月経った。それまでは主人が建てた古い家に一人で暮らしていたけど、一人で暮らす私のことが心配だと、娘夫婦の新居に住まわせてもら