ちくま論説 さらはニズム

 さらはニズム

 ▼平成3年(1991)創刊の地域新聞「東信ジャーナル」(発行・㈱東信ジャーナル社)が9月30日号をもって終刊となった。同紙は元信濃毎日新聞記者の故・井出正義さんが「地域の新聞を作りたい」という思いで創刊。上田市をはじめ東御市、小諸市、青木村等をエリアとする名前通り東信地区を代表する地元紙として愛されていた。

▼創刊当初は週刊紙で、正義さんが取材を行い妻のちよみさんが営業を務め二人三脚でスタート。その後は週5日発行の日刊紙として東信地域の情報を取り上げ続けてきた。かつては坂城町でも配達されていて、最盛期は1万7000部もの読者がいたという。創刊17年目にカラー化。2008年にはいち早く製版のコンピュータ化に移行している。

▼8年前に正義さんが亡くなった後は、取締役を務めるちよみさんが中心となり事業を継続。理念として掲げる「地域を開く身近な新聞」を貫いてきたが、今年通算8000号を発行するのを機に事業の終了を決断したという。「休刊という言葉は使いたくない(ちよみさん)」ということで8月28日に「終刊」の社告を掲載。読者から多数の惜しむ声があがり、地元の新旧首長らの寄稿が「終刊に寄せて」として紙面に掲載された。

▼「人にスポットを当てたい」「事件・事故は追わない」という正義さんのカラーを守ってきたと話すちよみさん。最後に地域住民に向け「長い間愛読していただいた読者の方々、企業のご支援に感謝します」と謝意を述べた。(W・S)

1階に印刷所を 備えた本社社屋
取締役の井出ちよみさん
(上)8100号もの 歴史を誇る東信ジャーナル