特集①大手メーカーと合併や提携 建設クレーン大手タダノ 高所作業車の長野工業を買収

特集①大手メーカーと合併や提携 建設クレーン大手タダノ 高所作業車の長野工業を買収

アピックヤマダは「ヤマハロボティクス」で産業ロボット事業拡大

☆交通網の利便性を活用

 千曲市に貢献

 上信越道と長野道の結節点である更埴ジャンクションを控え、さらに国道18号線バイパスが千曲川の西側を通過している(全線開通にはまだ時間がかかるようだ)。こうした交通網の便利さが多くの企業をひきつけるのだろう。千曲市でかつて勢いがあった企業は最近、合併や提携しているところが幾つかあるほか廃業したところもある。

 例えば、通信線や電線などの高所作業車メーカーの長野工業(八幡)は、建機大手のタダノグループの子会社となった。タダノは移動式の建設用クレーン製造では世界最大級、高所作業車でも国内有数。全体の売り上げ2800億円、営業利益183億円(2025年度、日本経済新聞調べ)と業績は良好だ。八幡工業団地(旧長野工業)の工場では、この夏に大型機を増産する予定という。八幡の工場で「タダノ」の会社名が国道18号線バイパスを車で走るとよく見える。タダノの事業拡大の方針がうかがえる。

 このほか、アピックヤマダは昨年7月、ヤマハロボティクスと合併して、産業用ロボットや電子部品の実装機の事業を拡大している。この他、本紙でも紹介したが、鋳物製造の森川産業は一昨年9月、株式会社吉銘との再生支援スポンサー契約を結んだ。

 そして、日本デルモンテ株式会社の長野工場は昨年9月に60年続いた操業を停止して、群馬県沼田市にトマトケチャップなどの製造を集約した。工場跡地は5月末には更地となった。約4000平方mの跡地に何ができるかは未定という。

 市内のある関係者は「デルモンテの跡地の活用は本来、千曲市が前向きに取る組むべきだ。敷地も広く立地も良いので可能性のある場所。親会社のキッコーマンの方に聞いてみたが、まだ何も決まっていないそうだ」と明かす。

☆街づくり

 活性化に千曲市は「連携」を

 千曲市は、整備された杭瀬下交差点近くのこの跡地の活用について、キッコーマンと相談して、市の成長に貢献できる施設活用のため「連携」していく考えはないのだろうか。清泉大学農学部の校舎建設も進み、来年4月には開校する。そして、ファッションや料理で才能を磨くライフデサイン科をもつ県立屋代南高校も近い。千曲市は行政として、議会や地元関係者とともに、「この地域の街づくり」に連携して取り組むべきだ。

 さらに、建機レンタル大手アクティオ(本社・東京)が千曲市八幡に「長野ちくまテクノパーク統括工場」を新設した動きは注目すべきだ。

 建機などの整備や維持・管理を担う統括工場。敷地面積は約9.1ヘクタールで全国に9カ所ある同社の統括工場のうち最大規模。千曲市の「八幡東産業団地」に整備した。高速道路や国道18号バイパスなどとの接続が良い上、水害リスクが比較的低く、広い敷地を確保できることなどから立地を決めたという。昨年12月に利用を開始し、北信越地方と関東地方の一部をカバーする。

 建機の整備や保管などを担う工場棟は鉄骨造り一部2階建て。敷地内にバックホーやクレーンなどの建機の他、建設工事で使う通信や測量機器など約1000機種、計約1万台を保管している。現在は約100人が勤務し、工場の運用が本格化すると1.5~2倍の人員が働くと見込まれ、地元の雇用にも寄与するという。5月13日に現地の「お披露目会」で会見した小沼直人代表取締役社長兼COOは「工場という言い方はメーカーだけではないと思う。建機のメンテナンスのノウハウを蓄積し、これからも、ものを直したり維持していく技術力を高めていきたい」と力を込めて述べた。

 敷地内には返却された重機を洗う洗車プールと自動洗車機などを組み合わせた「洗浄ライン」を設置。20メートル四方のヘリポートや非常用電源、2万リットルの軽油を備蓄できる施設、衛星通信サービス「スターリンク」の設備を備え、災害発生時でも被災地に建機などを提供できるという。

(本紙特任記者 中澤幸彦)

敷地内の解体作業が進んだ日本デルモンテ長野工場の跡地(撮影 5月25日)

姨捨方面から望むアクティオ 長野ちくまテクノパーク統括工場

お披露目では写真のようなアクティオのロゴ入りの赤いキャップ、メジャー、3色ボールペン、赤いバックなどが配られた 街のために貢献!アクティオのノベルティ(お披露目会での記念品)

㈱アクティオ小沼直人代表取締役社長兼COO