特 集 ◆日本デルモンテ長野工場の跡地利用について

◆日本デルモンテ長野工場の跡地利用について

◆市民のための施設に

 千曲市の杭瀬下交差点から国道18号線を長野方向に向かうと右側にある昨年6月末にトマトジュースなどの生産を終えた日本デルモンテ長野工場の跡地。現在は広い更地になった。日本デルモンテの親会社で土地を所有するキッコーマン(千葉市)によると、敷地面積は約1万4千平方メートル。地元の中信建設が建物の解体と更地化の工事を進めてきた。

 「ここに何ができるの」と思いを巡らす市民は多いだろう。キッコーマンの関係者は、60年以上にわたり操業を続けてきた経緯から「市民の皆さんに役立つ施設ができればうれしい」と話す。千曲市は市民の意見をよくふまえて、所有者の期待に応える施設を作ってほしいものだ。

◆「市民の声をよく聞いて」

 千曲市は民間から利活用の提案を募る「サウンディング型市場調査」を9月に始めるという。分かりにくいカタカナ用語を使うのではなく「工場の跡地利用で市民から意見を聞く調査」でいいだろう。しなの鉄道屋代駅前通りと国道18号が交差する杭瀬下交差点の北東の角に広がる土地のあたりは、来年4月に清泉大学農学部が国道18号線を挟んだ西側に開校する。ライフデザイン科をもつ屋代南高校も近い。こうした学校関係が集まり、市役所にも近い中心市街地の活性化に役立つ土地利用を期待したいところだ。

 すでに市民の一部からは、市内にかつてあったボウリング場のほか、クレーンゲーム機のあるゲームセンター、複数台のAТМやコンビニを備えた一大商業施設の誘致を、といった声が聴かれる。

◆トップセールスに期待

 6月22日の千曲市議会経済建設委員会で市が今後の方針を示した。当初は市側からキッコーマン側に打診があった。その後、キッコーマンが市の意向に沿う売却先を探したが見つからず、昨年12月に工場跡地の買い取りを市に打診したという。財政的に難しいと判断した市は前述の「サウンディング型市場調査」を実施して意向に沿う企業が現れた場合は一時的に市が買い取る条件をつけた上で売却する。現れなかった場合は市の関与を断念するという。

 ここで一つ提案したい。「市民の声を聞く会」を数回実施して、その声やリクエストを踏まえてこれはという民間企業には小川修一市長に「トップセールス」をして欲しい。そうした意気込みを是非トップ自ら見せてもらいたいと思う。

(本紙特任記者・中澤幸彦)

【写真】建物の解体工事が完了した工場跡地(7月19日撮影)