特集②「街づくり構想」コンサルタントに頼らず市民みんなで考えよう
千曲市の新年度予算は3月市議会で可決された。予算を審議する特別委員会が初めて設けられた。市民の関心は高まっているのだろうか。本紙では3月号で新年度となる令和8年度予算の概略について報じた。今号では、文化財関係の予算に焦点を当ててみた。
「輝かしい歴史文化の伝承と、新たな文化を創造するまち」を目標に掲げて、そのひとつに稲荷山の重要伝統的建造物保存地区(重伝建地区)にある旧米清(よねせい)の土地取得事業がある。千曲市は「まちづくりの拠点」整備を行う計画として、新年度の当初予算として4400万円を計上した。旧米清の土地を市が土地開発公社から買い戻して、今後の整備を進めるという。関連して、稲荷山重伝建地区建造物の修繕修景事業に補助金を交付し、景観を整えた街並みにする予算として2000万円を計上。また武水別神社の神官松田邸施設整備に820万円などを盛り込んだ。3月19日に「千曲市歴史的風致維持向上計画(?第2期)」が認定されたことで、これから稲荷山地区の整備も進められる。
旧米清の周辺整備は、今後の観光客や見学者にとって魅力ある計画にする必要がある。その構想が今後、どうなるか注視していきたいところだ。この地域の計画作成について「地元を知らないコンサルタントに丸投げする形で委託するのは避けてほしい」との声も寄せられている。
昨年10月に「旧米清」整備事業について「サウンディング型市場調査」が実施され、その結果については、「民間活力とアイデア」を導入した施設整備を検討しているという。つまり市は土地を「賃貸」などにして、施設や環境整備は民間に任せたいということなのだろうか。難しい用語は使わずに、子どもにも分かりやすい言葉や用語で市民の皆さんに説明してほしいものだ。
税金を使うならば、地元をよく知らないコンサルタントに高い料金を支払う必要はなかろう。地域の住民をはじめ「意見」のある市民にこそ耳を傾ける方が良い。安易にコンサルタントを使うよりも、街のために自前で「まちづくり計画」を作っていくべきだ。
市民の関心の高い事例としては、長い工事を終えてようやく整備された杭瀬下交差点がある。それに近い「日本デルモンテ長野工場」は昨年9月、60年続いた操業を完全に停止した。工場建屋は今や取り壊されていて5月末には更地になる。かなり広い土地だ。「この跡地に何ができるのだろうか」。近くの住民でなくても気になるところだ。工業用地、商業用地、住宅用地等に使われることが可能とされるが、用途はまだ明らかになっていない。杭瀬下交差点角にあった元長野銀行の支店の隣には美容室がオープンするという。
変わりゆく街に千曲市は「アイデア」や「構想」を提案してほしい。そして市民も他人事ではなくもっと関心を持ち真剣に考えるべきだろう。
(本紙特任記者 中澤幸彦)

旧米清の母屋店舗。歴史的な価値のある建屋。麹菌はどうなったか?=稲荷山

松田家斎館と頭殿道 =八幡

変わる街 杭瀬下交差点近くの日本デルモンテ長野工場が取り壊されて、5月には更地になる。跡地には何ができるのだろう。

