北国街道 歴史こぼれ話(第7回)明治天皇巡幸その六(矢代の渡し)

北国街道 歴史こぼれ話(第7回)明治天皇巡幸その六(矢代の渡し)

 矢代宿を出立した一行は千曲川を渡河する。松代藩七渡しの一つ「矢代の渡し」は矢代宿と篠野井追分宿とを船で結ぶ重要な渡し場だった。渡し場の位置は千曲川の流れの変化などで時代によって移動したが、ほぼ現在の北陸新幹線の鉄橋が架かる場所に相当する。対岸の軻良根古神社境内には明治天皇が輿から馬車に乗り換えたことを記した大きな石碑が建立されている。なお、化け鼠退治の猫伝説で知られるこの神社は江戸期は「唐猫神社」の名で知られていたが、明治天皇の行幸に先立ち同年6月「軻良根古」と改称された。

 この日(9月8日)の明治天皇は善光寺大勧進に宿泊している。長野行在所宿泊時に八幡地区の湧き水が御膳水として提供されており、千曲川展望公園近くの林に「明治天皇御膳水桜清水」の碑がいまも残る。

 巡幸はその後も北国街道を北上し北陸へ至り、京都経由で東海道を巡って帰京した。この北陸・東海巡幸は明治天皇六大巡幸の三番目に当たるものである。

矢代の渡し跡

(軻良根古神社)

明治天皇御召換之處